当ブログでは、ビジネスシーンで“誰でも・手軽に使える”資料デザインノウハウ・テクニックをお伝えしています。
今回は「資料で未来を表現するときの見せ方」について、主なポイントを簡潔にまとめていきます。デザインをちょっと工夫してあげるだけで、将来の「見込み」や「予測」をビジュアルで表現することができるようになるので、資料デザインテクニックとしてぜひ参考にしてみてください。
- ビジネス資料で「未来のこと」を表現したいときのデザインのポイント
- 「点線」の視覚的効果
- 株式会社トリッジ代表取締役 / デザイナー / コンテンツディレクター
- ググラフィック・WEBデザインやオウンドメディアの運営サポート・ディレクションを手掛けつつ、パワポ資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ150社以上、2,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。
ビジネス資料で「未来」を表現するときのデザインのポイントは?
プレゼン用のパワーポイント資料を作っている時など、将来の売上見込・予測を伝えなければいけないことって、ありますよね? つまり、「未来に起こること」をデザインで伝えたい。そんな時は、点線を活用するのがおすすめです。
実線ではなく点線を使うだけで、見込や予測を表現することができちゃうんです。なぜなら、「点線」には未来を表す力があるからです。これからそのポイントを整理していきます。
人間は点線を見ると「まだ存在していないもの」と感じやすい
そもそも「線」には色々な種類がありますが、よく見かけるものとしては、普通の線「実線」と、線の中に一定の間隔で隙間がある「点線」(破線)があります。そしてこの2つには、それぞれ見たときの感じ方に以下のような違いがあるんです。
- 実線=「存在しているもの」
- 点線=「存在していないもの」
実践と点線では、単純な見た目の違いだけでなく、このような見たときの「感じ方の違い」が生じやすいんですよね。
その上で「未来」について考えてみると、未来というのは当たり前ですが「これから訪れるもの」、つまり「まだ存在していないもの」になります。そのため、たとえば図解やグラフ等で将来の計画などを表現したい時に、その部分のデザインに点線を使ってあげると、パッと見た時に「あ、これは今後についての話なんだな!」というのが、一瞬で伝わりやすくなります。
わかりやすいように1つ例を見てみましょう。たとえば下の資料のように、すでに完了している計画は全部実線、これから行う計画のものは点線にしてあげると、どうでしょうか? パッと見ただけで一番右のものは「今後の話」だということがわかりますよね。
これなら文章を読まなくても、図形を一瞬見ただけで過去のことなのか、未来のことなのかが伝わってきます。
一方で、このように全部実線で表現するとどうでしょうか? まぁわからなくはないと思いますが、「もう終わったことなのか、それともこれからのことなのか」が、見た目で判断しづらいと思います。
このように全て実線にしてしまうと、「未来のこと」というのがビジュアルでは何となくわかりづらくなるわけです。
点線を活用することでデザインに「時間軸」が生まれる
実線と点線では「存在する・しない」という見た目の感じ方だけでなく、2つを同時に活用することで「現在と未来」のような“時間軸”をデザインの中に生み出すことができるようになります。
これをうまくビジネス資料でも使ってあげれば、「今後の計画」や「売上の見込値」など、未来のことをビジュアルでも簡単に伝えることができるわけです。
たとえば以下の例のように、過去からの売上を棒グラフで見せる際に、今後の見込みや目標値に関しては点線で棒を書いてあげましょう。それによって、まだその部分は「未確定である」ということが、パッと見ただけで伝わりやすくなりますよね。
グラフを使うときもうまく実線と点線を使い分けてあげることで時間軸を表現することができるので、ぜひプレゼン資料等を作る際は活用してみてください。線の種類をちょっと工夫するだけで、デザインの表現の幅もグンと広がっていきます。
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まとめ:デザインをちょっと工夫するだけで“時間の経過”も伝えられる
今回は「資料で未来を表現するときの見せ方」について、主なポイントを簡潔にまとめてみました。
未来のこと・時間軸をデザインで表現するのは意外と難しそうに感じるかもしれませんが、「点線を使う」だけで実は簡単に表現できてしまいます。やり方としてはシンプルなことではありますが、これが見た目としてもかなりわかりやすくなるのでお勧めです。
普段お仕事で計画や将来の見込等を資料で作ることが多い方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。