
当ブログでは、ビジネスシーンで“誰でも・手軽に使える”デザインノウハウ・テクニックをお伝えしています。
今回はパワーポイントでプレゼン資料などを作る際に使う「グラフ」について。グラフってたくさん種類があって、「どれを使えばいいのかわからない…」と迷ってしまう方も多いですが、実のところビジネスシーンでよく使うグラフは限られています。
そこで今回は、企業の資料デザイン研修で講師として登壇することも多いデザイナーの筆者が、ビジネス資料でよく使うグラフパターンをまとめてみました。
資料デザイン研修でも実際にお伝えしているエッセンスをピックアップして、現場の感覚に違い内容で整理しているので、日頃パワーポイントで資料作成などを行うことが多い方の参考になれば幸いです。
- グラフを使うメリット(ざっくり)
- 資料でよく使うグラフのパターン6つとそれぞれの使うべき場面
- グラフを使う際の注意点
グラフはビジネス資料でも必須の要素
ビジネスシーンで作成する資料においては、グラフは頻出の要素です。ただ、たとえばExcelやパワーポイントを開いても、グラフってたくさん種類が出てくるので、「どれを使えばいいか迷ってしまう…」という人も多いのではないでしょうか。

そんな時は、よく使うグラフのパターンと使うべき場面を押さえてしまうのがベター。実のところ、ビジネスシーンでよく使うグラフは限られています(=大体の内容は少数のグラフを使うだけで本来は伝えられる)。
これからそのよく使うグラフパターンと、それぞれの使うべき場面などを整理していきます。
おさらい:グラフを使うメリット
よく使うグラフのパターンを学ぶ前に、まずはグラフを使うメリットを改めておさらいしておきます。
グラフを使う主なメリットは、「難解なデータ等も直感的に伝えることができる」ことです。細かなものも含めて整理すると、以下になります。
- 難解な数値データ等をイメージで伝えることができる
- 複数のデータを比較したときに差が視覚的にわかりやすい
- (パワポ資料なら)テキスト情報を減らしてシンプルなデザインにすることができる

ビジネスシーンでは様々な数値データが飛び交います。たとえばそれらをプレゼン資料で伝えなければいけない時に、ただ数字を羅列するだけでは読み手・聞き手からすると内容を瞬間的に理解できなかったり、イマイチイメージも湧きづらかったりしますよね。
そんな時に「グラフ」を使ってあげると、上記3点のメリットによって、資料内容が非常にわかりやすくなります。特に以前の記事でもお伝えした通り、パワーポイントは「読む資料」ではなく「見る資料」。プレゼンにおけるトークの視覚的補助役なので、これらメリットが非常に重要になるわけです。

当ブログでは、ビジネスシーンで作成する資料で“誰でも・手軽に使える”レイアウトノウハウ・テクニックをお伝えしています。今回はプレゼン用のパワーポイント資料における見せ方・デザインの方向性について考えていきます。わかりやすい資料にするためには、パワポは「読ませてはいけません」。...
たくさんあるグラフもよく使うものは限られる。グラフの「パターン」を覚えてしまおう
そんな“伝わる資料”を作る上で重要な要素となるグラフですが、前述の通り実はビジネスシーンでよく使うグラフって限られています。
具体的なよく使うグラフパターンは以下になります(詳細は下に続きます)。
- 棒グラフ
- 横棒グラフ
- 折れ線グラフ
- 円グラフ
- 100%積み上げ棒グラフ
- レーダーチャート
①棒グラフ
- 何が伝えられる?:棒の「高さ」によって、物事の「量」を比較できる
- ポイント:縦軸の開始を「0」にして、比較対象の尺度を合わせる
②横棒グラフ
- 何が伝えられる?:棒グラフと同様に「量」を比較できる
- ポイント:特に「順位」や「ランキング」等が伝えやすく、その場合は縦棒グラフよりも横棒グラフの方がわかりやすい(人間は順位があるものの場合、横に並んでいるよりも、上から下に向かって並んでいた方がその順位を直感的に理解しやすいため)
③折れ線グラフ
- 何が伝えられる?:データが時系列でどのように変化しているのか、その変化の方向性・傾向を示すことができる。折れ線グラフはデータを線で繋いでいるので、「線の傾き」が視覚的に見えるため、時系列でどう変化しているのか、その傾向が視覚的に掴みやすい。
- ポイント:「量そのものを伝えたい=棒グラフ」、「変化の傾向が伝えたい=折れ線グラフ」で使い分ける
④円グラフ
- 何が伝えられる?:ある量に占める「割合」や「構成」を示すことができる
- ポイント:ドーナツ型すれば穴の場所にデータ属性(「30代」、「女性」など)を示しやすい
⑤100%積み上げ棒グラフ
- 何が伝えられる?:ある量に占める「割合」を示すことができる。
- ポイント:特に「割合の比較」が円グラフよりもわかりやすい(円グラフは中の要素が扇型になるので比較した時にわかりにくいが、100%積み上げ棒グラフなら形が単なる四角なので、割合の増減がわかりやすく見える)。
⑥レーダーチャート
- 何が伝えられる?:「データの良し悪し」や「特性」を視覚的に伝えられる(「どの項目が突出しているのか」や「全体のバランスが取れている」などの特性を伝えやすい)
- ポイント:データを重ね過ぎると見づらくなるので、重ねるのであれば2つか3つくらいを目安に
グラフを使う際の注意点
以上6つが「資料で使いやすいグラフの種類・パターン」とポイントになります。ほとんどはどこかで一度は見たことがあったのではないでしょうか?
加えて大事な「注意点」をお伝えしておくと、それぞれのグラフは「役割に応じて使い分ける」ことが大切。前述の通り、それぞれのグラフには「伝えられること」(=得意分野)があります。棒グラフなら「量を比較するのが得意」だし、「円グラフなら割合を示すのが得意」。

そのため、実際に自分が「何をグラフで伝えたいのか」ということと、グラフそれぞれの「伝えられること」(=得意分野)を一致させなければ、グラフはかえってわかりにくくなってしまいます。それぞれのグラフで「何が伝えられるのか?」という点をしっかり押さえた上で、それぞれを使い分けるようにしましょう。
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今回の内容を動画で見たい方は、当ブログ筆者がYouTubeチャンネル『ビズデザ』でも解説しているので、こちらも併せてご参考ください(チャンネル登録もしていただけると、中の人は飛び跳ねて喜ぶそうです)
まとめ:グラフは使い分け方を押さえれば実は難しくない。パターンを覚えてしまおう。
今回はビジネス資料でよく使うグラフパターンと、それぞれの特性についてまとめました。
ビジネスシーン、特にプレゼン用のパワーポイント資料等ではグラフを使うことが非常に多いですが、使い慣れていないとその種類の豊富さゆえに「どれを使えばいいのか」迷ってしまいがち。
でも、実はビジネスシーンでは“よく使うグラフ”が限られます。特に今回ご紹介した6つのグラフがよく使われるものになるので、それぞれ「何が伝えられるのか?」、そしてそのポイントを押さえてしまって、使い分けをラクにしちゃいましょう。そうすると、意外とグラフは難しくないことに気付けるのではないでしょうか。
ぜひ色々なプレゼン資料・パワポ資料等で使ってみてください。Excel等で作る分析資料などにも応用は効きます。