当ブログでは、ビジネスシーンで“誰でも・手軽に使える”資料デザインノウハウ・テクニックをお伝えしています。
最近はプレゼンなどで動画を使って会社・サービス紹介するケースが増えているせいか、「パワーポイントに動画を埋め込むにはどうしたらいいの?」という声をよく聞きます。先日も、とある企業さんのパワポ作成研修で登壇させていただいた際に、この質問が多数寄せられました。
そこで今回は、「パワーポイント資料に動画を埋め込む・挿入する方法」について解説してみました。実のところパワポに動画を埋め込む方法は3つあるのですが、それぞれの具体的な操作方法やメリット・デメリット、動画の自動再生、BGMの入れ方まで細かく解説しているので、日頃PowerPointで資料作成することが多い方の参考になれば幸いです。
- PowerPointへの動画の埋め込み・挿入方法
- 動画の埋め込み方法ごとのメリット・デメリット
- 株式会社トリッジ代表取締役 / デザイナー / コンテンツディレクター
- グラフィック・WEBデザインやオウンドメディアの運営サポート・ディレクションを手掛けつつ、パワポ資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ150社以上、2,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。
PowerPointへの動画の挿入・埋め込み方法
早速、PowerPointに動画を挿入する・埋め込む時の方法を3つご紹介します。具体的なパワポでの操作方法に加え、それぞれの方法のメリット・デメリットも併せて整理しておくので、資料作成時の参考にしていただければ幸いです。
なお、以下の内容は「Windows版」のパワーポイントでのやり方になりますので、その点ご留意ください。
- PC内の動画データを挿入する
- パワーポイントのストック動画を挿入する
- YouTube等のオンラインプラットフォーム上の動画を挿入する
PC内の動画データを挿入する
まず1つめは「PC内の動画データを挿入する」時のやり方です。これが一番ベーシックな方法でしょう。
具体的なパワーポイントでの操作方法や、この方法のメリット・デメリットは以下をご参照ください。
パワーポイントでの操作方法
①パワーポイントを開き、[挿入タブ]→[メディア]→[ビデオ]→[このデバイス]をクリックする。
②[ビデオの挿入]のポップアップが立ち上がるので、任意の動画データを選択し、[挿入]をクリックする。
③スライド内に選択した動画が挿入される。
この方法を使うメリット・デメリット
この「PC内の動画データを挿入する」場合のメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 簡単操作で挿入可能
- オフラインでも視聴可能
- 再生のカスタマイズ幅が広い
- パワーポイント全体のデータ容量が猛烈に重たくなる
メリットとしては「オフライン環境でも動画が見られる」点が1番大きいでしょう。インターネットに繋がっていない場所やWi-Fiの電波が弱い場所でプレゼンをしなければいけないケースもありますので、そんな環境でも動画が見られるのは大きな利点と言えます。
一方で「パワポのデータサイズが重くなる」点は大きなデメリットになります。やはりパワポ資料は、色々な人とデータを共有することも多いですが、そのような時にデータ容量が重いと共有しにくくなりますよね。また資料を保存しておくときにもサーバーに負荷がかかりやすくなります。そのため、このデータ容量に関しては、大きいデメリットがあると言えます。
PowerPointのストックビデオを挿入する
2つめは「パワーポイントのストックビデオを挿入する」時のやり方です。
ストックビデオとは、“パワーポイント上で使用できるロイヤリティーフリーの動画素材”のこと。これら動画素材は、Office 製品内(文書上)で使用する場合に限り、対外用に公開するサイトや社外向け資料であっても著作権や使用料などが発生しません。そのためストックビデオを挿入すれば、比較的手軽に高品質な動画を資料内で映すことができます。
具体的なパワポでの操作方法や、この方法のメリット・デメリットは以下をご参照ください。
パワーポイントでの操作方法
①パワーポイントを開き、[挿入タブ]→[メディア]→[ビデオ]→[ストックビデオ]をクリックする。
②表示されたストックビデオの中から任意の動画を選択し、[挿入]をクリックする。
③スライド内に選択した動画が挿入される。
この方法を使うメリット・デメリット
この「パワーポイントのストックビデオを挿入する」場合のメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 簡単操作で挿入可能
- オフラインでも視聴可能
- 様々なパターンの高品質な動画が利用できる
- パワーポイント全体のデータ容量が猛烈に重たくなる
- 求めている動画とぴったりの素材が見つかりにくいる
この方法のメリットとして大きいのは、やはり「様々なパターンの高品質な動画素材を手軽に利用できる」点ではないでしょうか。実写動画からイラスト・アニメーション動画まで幅広く用意されており、クオリティも非常に高いものが揃っています。
ただし、様々なパターンのものが揃っているからこそ、「求めている動画とぴったりの素材を見つけにくい」のはデメリットとして挙げられます。特にパワーポイントのストック素材は検索機能の性能が低いので、欲しい動画を探しているうちに「すごい時間が経ってしまった…」なんてことも起こり得ます笑。この点は注意が必要です。
YouTube等のオンラインプラットフォーム上の動画を挿入する
3つめは「YouTube等のオンラインプラットフォーム上の動画を挿入する」時のやり方です。
パワーポイントには、YouTubeやVimeoなどのオンラインプラットフォームに上がっている動画を挿入することもできます(2023年10月現在で対応しているプラットフォームはYouTube、Vimeo、SlideShare、Stream、Flipの5つです)。
具体的なパワポでの操作方法や、この方法のメリット・デメリットは以下をご参照ください。
パワーポイントでの操作方法
①パワーポイントを開き、[挿入タブ]→[メディア]→[ビデオ]→[オンラインビデオ]をクリックする。
②[オンラインビデオのアドレスを入力する]のポップアップが立ち上がるので、URLの入力窓に挿入したい動画のURLを入力し、[挿入]をクリックする(下の例はYouTube動画のURLを入力しています)。
③スライド内にオンライン動画が挿入される。
この方法を使うメリット・デメリット
この「YouTube等のオンラインプラットフォーム上の動画を挿入する」場合のメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 著名動画プラットフォーム(YouTube、Vimeo)のコンテンツを挿入可能
- パワーポイント全体のデータ容量が重くならない
- オフラインでは視聴不可
- 再生のカスタマイズ幅が狭い
- 古いパワーポイントのバージョンでは挿入不可
この方法の一番のメリットは「パワポのデータ容量が重くならない」ということ。URLを入れてプラットフォームとリンクしているだけなので、動画自体はパワポには埋め込まれていないからです。先にご紹介した2つの方法とこの点が大きく異なるので、容量面で大きなメリットがあります。
一方で、その分「オフラインの環境では視聴ができない」点はデメリットになります。プレゼンする際にインターネットと繋げられない場合はこの方法は使えないので、その点は注意が必要でしょう。
オンライン動画を挿入するときに注意すべきこと
なお、YouTubeなどのオンラインプラットフォームの動画を資料内に挿入するときは、著作権の侵害には注意しましょう。
自分で作成した動画をYouTubeにアップし、それをパワーポイント内に挿入する(リンクする)のであれば問題ありませんが、他者が作成したYouTube動画を業務上の資料内に挿入すると、私的利用の範囲を超えて著作権侵害にあたる可能性があります。
大きな問題に発展してからでは遅いので、十分注意が必要です。
PowerPointに挿入した動画を自動再生させる方法
上記の方法を使えば簡単にパワーポイント内に動画を挿入することができますが、この状態では再生ボタンをクリックしないと動画は再生されません。でも「スライドショー実行時に動画を自動再生したい」というケースもありますよね?
そのような場合は、動画の再生開始タイミングを変更しましょう。具体的なパワーポイントでの操作方法は以下を参照ください。
①挿入した動画を選択し、[再生]タブ→[開始]をクリックする。
②プルダウンメニューで表示された項目の中から[自動]を選択する。
③スライドショー実行時に、該当の動画が自動再生される。
PowerPointに挿入した動画の背景にBGMを入れる方法
PowerPointに挿入した動画の背景に音楽(BGM)を入れることもできます。無音の動画だと見せ方・演出として少し寂しい印象になりやすいので、必要に応じて背景BGMも入れてみましょう。
パワーポイントの動画の背景に音楽・BGMを挿入する具体的な操作方法は以下を参照ください。
①動画が挿入されているスライドを開いた状態で、[挿入タブ]→[メディア]→[オーディオ]→[このコンピューター上のオーディオ]をクリックする。
②[オーディオの挿入]のポップアップが立ち上がるので、任意の音楽データを選択し、[挿入]をクリックする。
③スライド内に音楽が挿入される(同時にスピーカーのアイコンが表示される)。
④スピーカーのアイコンを選択し、[再生]タブ→[バックグラウンドで再生]をクリックすると、該当のスライドがスライドショーで表示されたときに音楽がBGMとして自動再生される。
まとめ:動画の挿入方法を押さえてPowerPoint資料のクオリティアップを目指そう
今回は、パワポ資料で動画を使うメリット・デメリットや動画を使うと効果的なシーンを押さえながら、「パワーポイント資料に動画を埋め込む・挿入する方法」を解説してみました。
動画は非常に伝えられる情報量が多く、プレゼンのパワーポイント資料で使うのは効果的です。パワポへの挿入方法もとっても簡単なので、ぜひ今回の記事の内容を参考にしていただきながら、動画を使ったハイクオリティな資料作成を目指してみてくださいね。