デザインの4大原則「対比」を徹底解説。意識すべきポイントと効果をまとめてみた。

デザインの4大原則「対比」の例

当ブログでは、ビジネスシーンで作成する資料で“誰でも・手軽に使える”レイアウトノウハウ・テクニックをお伝えしています。

今回は、ビジネスシーンで作成する資料で『絶対に意識すべき4つのデザイン原則・ルール』の中の「対比」(ギャップを作る)について共有したいと思います。

あらゆるビジネスシーンでのデザイン(社内・社外向け文書、Word・Excel・PowerPoint等)で役立つ原則なので、日頃資料作成などが多い方の参考になれば幸いです。

「対比」って、どんな原則?

『資料作成時に絶対意識すべきデザインの4大原則』のうちの1つ、「対比」。

この「対比」というのは、“意識的に”デザインの中に「量や性質のギャップを作る」ことを意味しています。たとえば、1つのデザインの中に大きいものと小さいもの、太いものと細いもの、濃いものと薄いものなど、対になる要素を混在させて配置・レイアウトするイメージです。

これができると、特に資料のわかりやすさが飛躍的にアップするので、ぜひ意識したいデザインの原則です。

「対比」って、具体的に何をすればいいの?

「対比」の原則で具体的に行うことは、以下の2つだけです。

■■「対比」の原則で行うこと■■

  • デザインの中に量や性質のギャップを作る
  • 伝えたい情報の優先順位に応じてギャップの大きさをコントロールする

以上の2点が対比の原則で守らなければいけないポイントになります。

「対比」と聞くと少しわかりにくいかもしれませんが、「コントラストをつける」と言われた方が何となくイメージがつきやすいかもしれません。大きい⇄小さいなど、要素にギャップを作ってコントラストをつける、それが「対比」の原則です。

「対比」の原則の効果は?

そんな「対比」の原則の効果は、デザインの単調さを回避し、伝えたい情報に“優先順位”をつけられることです。それによって、デザインの見やすさ・わかりやすさがアップしていきます。

たとえば下のパワーポイントの例を見てみると、2つの数字が並んでいますが、デザインの中に強い対比(ギャップ)が存在していないため単調さが出てしまい、情報として“どちらの数字が重要なのか(どちらを強調したいのか)”が瞬間的にわかりづらくなっています。

デザインの4大原則「対比」ができていない例

一方で下の例のように、より強く伝えたい方の数字を“大きく・太く”し、もう一方を“小さく・細く”して対比を加えてあげると、パッと見ただけで「93%」という数字の方が「大事な情報である」(=強調されている)ように感じます。

デザインの4大原則「対比」の例

このように、デザインの中に対比を持ち込むことで、「伝えるべき情報の優先順位がわかりやすくなる」わけですね。これが対比の効果です。

仮に資料などの場合、その資料の中にはたくさんの情報が出てきます。そうすると読み手からすれば「どの情報が重要なのか」がパッと見ただけで判断できないと、どうしても資料がわかりづらく感じてしまいます。

そういった見づらさ・わかりづらさを回避するために、デザインにはしっかりとした対比(ギャップ)を作ることが大切です。

伝えたい情報の優先順位に応じて対比の大きさをコントロールする

特に大切なのは、「伝えたい情報の優先順位に応じて、対比の大きさをコントロールすること」。仮に情報A→情報B→情報Cの順に伝えたい優先順位が下がっていくのであれば、情報Aに最も大きな対比を作り、続いて情報B、情報Cの順にコントラストを弱めていくイメージです。

具体例で考えてみましょう。たとえば、あるイベントのポスターを作っていて、そのポスターの中にイベントタイトル、参加申込方法のお知らせ、イベント開催日・場所、主催者情報の4つを掲載するとします。

そのような場合は、まずそれら4つの情報のうち、“最も伝えたいこと”を踏まえた上で、伝えたいことの優先順位をつけていきましょう。今回は以下のように優先順位がついたと仮定します。

■■ポスターに掲載する情報の優先順位■■

  1. イベントタイトル
  2. イベント開催日・場所
  3. 参加申込方法のお知らせ
  4. 主催者情報

そうしたら、この優先順位に応じて(①→②→③→④)、①を最も大きく・太く、④を最も小さく・細くなるように、対比・コントラストを調整してデザインします(以下参照)。

デザインの4大原則「対比」の実例

こうすることで、複数の情報が混在していたとしても「何が伝えたいのか」や「どの情報が重要なのか」が瞬間的にわかりやすくなります。むやみやたらに対比を行うのではなく、情報の優先順位に応じて対比をつけていくのがポイントです。

対比させるときは「大きさ・太さ・色」の3つが基本

なお、対比させるときは、上の例でも使ったように、以下の3つの要素が基本になります。

  1. 大きさの対比(大きい・小さい)
  2. 太さの対比(太い・細い)
  3. 色の対比(色がついている・ついていない、色が濃い・薄い)

この3つの対比は使いやすいですし、資料の読み手に与えるインパクト(コントラストの強さ)も大きいので、うまく組み合わせながら使いこなしましょう。

また、3つの対比はそれぞれを組み合わせれば組み合わせるほど、そのギャップの強さも増していきます。特に強調したい箇所(優先順位が高い情報)には、複数の対比を組み合わせてデザインするのもおすすめです。

対比の注意点

最後に対比における注意点を1つだけ挙げておきます。対比の注意点、それは「ギャップは意図的に強く出すようにするということ。ちょっとした対比(あまり差がないギャップ)だと、それは見る人にとっては“ただの間違い・ミス”に見えてしまう可能性があるからです。

たとえばパワーポイントのプレゼン資料で、大きい文字と小さい文字でギャップを作りたい場合であれば、少し極端なくらいに大きさに差を作りましょう。

仮に20ポイントの文字と18ポイントの文字のように、小さな対比になってしまっていた場合、読む人はそれが“意図的に作ったギャップ”なのか、それとも本当は全部同じ文字の大きさ18ポイントに揃えようとしていたのに“誤って1カ所だけ20ポイントになってしまった”のかわかりません。

プレゼン資料の文字であれば、イメージとしては1.5〜2倍くらいの大きさのギャップは作ってあげた方がいいでしょう。

YouTubeでも「対比」の原則が学べるよ!

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まとめ:あらゆる資料で必ず意識! 特に関連性が弱いものは絶対近づけちゃダメ!

今回はデザインの4大原則の1つ「対比」について、その概要とポイントをまとめました。

ビジネス資料は、伝えたいことがしっかり相手に伝わって、初めて価値が生まれます。そのような意味では、「対比」によって“情報の優先順位を明確にする”のは非常に重要です。今回例として挙げたプレゼン資料やポスターのデザインに限らず、たとえばWEBのデザインなどでも大切になります。

理解できれば内容的にも取り組みやすい原則だと思いますので、これまであまり意識していなかった人は、今後ぜひこの原則を意識して資料作りをしてみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

デザイナー・編集者。オウンドメディアのディレクション・編集やビジュアル・クリエイティブ制作を中心に行いつつ、デザイン・資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。 パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ1,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。