当ブログでは、ビジネスシーンで“誰でも・手軽に使える”資料デザインノウハウ・テクニックをお伝えしています。
今回はパワーポイントのスライドの向きを「横向き」から「縦向き」に変更する方法ついて解説してみました。
チラシ・パンフレット・ポスターなどをパワーポイントで作る際に「縦向きにしたい!」というケースもありますよね? そんな時に使える“具体的なパワーポイントでの操作方法”や関連設定などを網羅してご紹介しています。
Microsoftの公式サポートで説明されている方法以外にもやり方があるので、ぜひ参考にしてみてください。
- パワーポイントのスライドの向きを「縦向き」に変更する設定変更・操作方法
- 「A4縦向き」に設定する簡単な方法
- 横向き・縦向きが混在しているように見せる方法
- 株式会社トリッジ代表取締役 / デザイナー / コンテンツディレクター
- グラフィック・WEBデザインやオウンドメディアの運営サポート・ディレクションを手掛けつつ、パワポ資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ150社以上、2,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。
パワーポイントのスライドは「縦向き」にすることも可能
パワーポイントはプレゼン資料を作ったりするだけでなく、ポスターや簡単なチラシなどを制作するときにも使用したりしますが、そのときに「横向きのスライドだとイマイチうまくレイアウトできない…縦向きにしたい!」と言う声をよく聞きます。
そこで今回は、パワーポイントのページの向きを横向きから縦向きに変更する方法について、その具体的なやり方をまとめていきたいと思います。いくつかやり方はありますが、どれもそれほど難しくないので、一気に覚えてしまうと便利ですよ。
パワーポイントのスライドを「縦向き」にする方法
パワーポイントのスライドは、デフォルトでは「横向き」(ワイド画面 16:9)になっていますが、実は簡単な操作で「縦向き」に変更することができます。
パワーポイントを使ってポスター・チラシ・パンフレットなどを作るときは「どうしても縦向きにしたい!」というケースも出てくるので、その時は以下の操作方法を参考にしながら、スライド・ページを「縦向き」にしてみましょう。
スライド・ページの向きを「縦向き」にする主なやり方は、以下の3つです。
- [スライドのサイズ]で「印刷の向き」を縦にする
- スライドの「幅と高さ」を変更して縦向きにする
- 縦向きテンプレートを利用する
方法①:[スライドのサイズ]で「印刷の向き」を縦にする
1つめの方法は「印刷の向き」を使って縦向きにする方法。これが最も簡単かつ手軽に縦向きにできます。幅・高さにこだわりがなく、手っ取り早く向きを変えたい場合は、この方法がおすすめです。
具体的なパワーポイントでの操作方法は、以下を参照ください。
①パワーポイントを開き、[デザイン]タブ→[スライドのサイズ]→[ユーザー設定のスライドのサイズ]をクリック。
②[スライドのサイズ]のダイアログボックスが表示されるので、[印刷の向き]の項目でスライドを[横]→[縦]を選ぶ。
③あとは「最大化」または「サイズに合わせて調整」のいずれかを選択すれば完了。
- 最大化:すでにスライド内に挿入されている文字・図形・画像などの大きさを、元のサイズのまま維持した上で縦向きにする
- サイズに合わせて調整:すでにスライド内に挿入されている文字・図形・画像などの大きさを、縦向きスライドの横幅に収まるよう縮小する
方法②:スライドの「幅と高さ」を変更して縦向きにする
2つめの方法は「スライドの幅と高さ」を変更することで、スライドを縦向きに変えるやり方です。より細かく縦横のサイズを指定したい場合におすすめ。
具体的なパワーポイントでの操作方法は、以下を参照ください。
①[デザイン]タブ→[スライドのサイズ]→[ユーザー設定のスライドのサイズ]をクリック。
②[スライドのサイズ]のダイアログボックスが表示されるので、[幅]と[高さ]の項目で任意の数値を入力する。
- 上記の方法の場合、[幅]と[高さ]に具体的な数値を入力する必要があるので、自分が作成したいサイズはあらかじめ決めておきましょう。一般的な用紙の縦横サイズと主な用途を以下に記載するので、参考にしてみてください。
サイズ名称 | 実寸サイズ(mm) | 主な用途 |
A3 | 297 × 420 | ポスター、チラシ等 |
A4 | 210 × 297 | 社内資料、パンフレット、カタログ等 |
A5 | 148 × 210 | 発注書、納品書、手帳、ノート等 |
A6 | 105 × 148 | ポストカード、手帳、文庫本等 |
B3 | 364 × 515 | (電車の)中刷り広告等 |
B4 | 257 × 364 | 原稿用紙、折り込み広告等 |
B5 | 182 × 257 | ノート、雑誌等 |
B6 | 128 × 182 | 手帳、卓上カレンダー、コミック等 |
官製ハガキ | 100 × 148 | − |
名刺サイズ | 55 × 91 | − |
方法③:縦向きテンプレートを利用する
3つめの方法は、パワーポイントにデフォルトで用意されている「縦向きテンプレートを利用する」というもの。
パワーポイントには元から様々な「テンプレート」が用意されており、それを使うとイチから自分でデザインをしなくても、資料・ポスター・各種文書などが作れます。テンプレートの中には縦向きのものもいくつか用意されているので、それらを最初に選択すれば、縦向きにすることができます。
ただし手っ取り早い方法ではありますが、用途にピッタリ合うものが見つからないと逆に手間と時間がかかることも多いので、その点には注意しましょう。
具体的な操作方法は以下を参照ください。
①[ファイル]タブを選択し、[新規]を選ぶ。
②すると、様々なテンプレートが表示される。この段階では横向きのテンプレートばかりが出てきてしまうので、検索窓に「縦」と入力して絞り込みを行うと、縦向きのテンプレートが見つかる。
- テンプレートは最初から様々なテーマでデザインされたものが用意されているので、自分の用途に合ったものが見つかれば、作業の時短になり非常に便利。
- ただし、テンプレートには不要な装飾などが入っていることも多いので、テンプレートに頼り過ぎると余計に修正に時間がかかってしまうこともあります。
- そのためシンプルなデザインの縦向き資料等を作りたい時などはテンプレートは使わず、方法①・②のやり方で縦向きにする方がおすすめです。
おまけ:具体的な数値入力をせずに、スライドをA4縦サイズぴったりに設定する方法
パワーポイントを縦向きに変更したい時、最も多く利用するサイズは「A4縦サイズ」ではないでしょうか。
その際に、前述の『方法②:スライドの「幅と高さ」を変更して縦向きにする』を使えば、もちろんA4縦サイズにすることができますが、具体的に「幅〇〇mm、高さ〇〇mm」と入力するのって、ちょっと面倒だったりしますよね?(ミリ単位まで数字を覚えておくのも大変だし笑)
そんな時は以下の操作を行えば、具体的な数値入力をせずに、スライドをA4縦サイズぴったりに設定することができます。
①まず前述の「方法①」を行う。[デザイン]タブを選択→[スライドのサイズ]→[ユーザー設定のスライドのサイズ]をクリック。
②[スライドのサイズ]のダイアログボックスが表示されるので、[印刷の向き]の項目でスライドを[横]→[縦]を選択。
④さらに[スライドのサイズ指定]のプルダウンメニューの中から「A4 210×297mm」を選べば、A4縦向きにスライドが変更される。
以上がパワーポイントのスライドの向きを「横向き」から「縦向き」に変更する方法です。縦向きポスターや資料等を作る際はぜひ活用してみてくださいね。
スライドを「横向き」と「縦向き」で混在させることはできる?
なお、スライド・ページの向きを変更することに関連して、「1つのパワーポイントデータの中で、横向きと縦向きを混在させることはできるの?」という声をよく聞くので、この点についても触れておきたいと思います。
厳密にいえば縦横の混在は「できない」
まず先に結論をお話ししておくと、“1つのパワーポイントデータの中で”横向きと縦向きを混在させることはできません。そう、できないんです、厳密にいえば。
現在のパワーポイントの仕様では、縦向きに設定変更すると、データ内の全てのスライドが縦向きになってしまうんですよ。資料作成時に混在させたいケースもあると思いますが、現状のパワーポイントの仕様としてはできないので、今後のパワーポイントのバージョンアップに期待しましょう。
ハイパーリンクを使えば“縦横混在に見せかける”ことはできる
ただ、実のところハイパーリンクを使うことで、“縦横混在に見せかける”ことはできます。
イメージとしては、「横向きパワポと縦向きパワポを1つずつ用意し、それぞれをハイパーリンクでつないで、スライドショー表示する」ことで、混在しているように見せかける、という方法です。“見せかける”というところが少し気持ち悪いと思いますが笑、厳密には混在できているわけではないので、このような表現になってしまうんですよね。まぁ言ってしまえば裏ワザです。
具体的なパワーポイントでの操作方法は、以下を参照ください。
- 元になる横長のパワーポイントファイルを作成する
- リンクさせる縦長のパワーポイントファイル作成する
- 元になる横長のパワポに、ハイパーリンクで縦長のパワポをリンクさせる
- リンク先の縦長パワポに、元の横長パワポに戻るためのリンクを挿入する
- スライドショーで表示し、リンクした箇所をクリックすると、縦長スライドが表示される
以上の方法をとれば、スライドショー上では横長と縦長が混在しているように見せかけることはできます。ただこの方法は、あくまで横長パワポと縦長パワポの2つのファイルをリンクしているだけで、前述の通り「1つのパワポファイルだけで縦横が混在させている」わけではありませんので、その点はご留意ください。
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今回の内容を動画で見たい方は、当ブログ筆者がYouTubeチャンネル『ビズデザ』でも詳しく解説しているので、こちらも併せてご参考ください(チャンネル登録もしていただけると、中の人は飛び跳ねて喜ぶそうです)
まとめ:簡単設定変更で縦向きスライドを活用してみよう
今回は『パワーポイントのスライドの向きを「横向き」から「縦向き」に変更する方法』についてご紹介しました。
プレゼン資料以外にも、ポスターやチラシなどを手軽に作りたい時等によく活用されるパワーポイント。縦向きにする方法は意外と知られていないものの、いざやってみるとすごく簡単な設定変更で実現できてしまいます。
特に幅・高さにこだわりがなければ、方法①でご紹介した「印刷の向き」を縦にするやり方は非常に手軽なのでおすすめです。スライドを縦向きにしたいときは、ぜひ参考にしてみてください。