パワポで文字をアーチ状・円形などに曲げる簡単な方法。ポスター・チラシ・スライド作成に便利。

パワーポイントを使って文字を曲げるには、パワーポイントに搭載されている［文字の変形］機能を使うのがおすすめです。

ビジネス用のスライド資料だけでなく、店舗のチラシ・ポスター・パンフレットなどをパワーポイントで作る人も多いと思いますが、その時に「文字をアーチ状に曲げたい！」「テキストを円形に並べたい！」と思ったことはありませんか？

実は編集ソフトを使わずに、パワーポイントでも文字を曲げたデザイン表現を行うことは可能です。今回は、その具体的なやり方を実画面を使いながら解説していきます。

パワポ資料作成の研修講師としても活動している筆者が、実際に作業を行う際に注意している点も併記しているので、これから「パワポで文字を曲げたデザインにしたい！」と考えている方の参考になれば幸いです。

パワポで文字を曲げるには［文字の変形］機能を使う

パワーポイントで文字を曲げたい場合、最もおすすめなのは［文字の変形］機能を使う方法です。この機能を使うと、文字・文章をアーチ状に変形したり、円形に並べたりすることができます。

実際によくデザインで用いられる変形パターンとしては、以下が挙げられるでしょう。

このような文字の変形を使うことで、デザインに動きや躍動感を出すことができ、読み手の視線を集められるようになります。次項からは、実際に上記5パターンのパワポでの操作方法をまとめていきます。

パワポで文字を曲げる際の具体的なやり方・操作方法

それではここから、実際にパワーポイントで文字を曲げる方法・具体的な操作手順を整理していきます。どの形状もやり方は非常に簡単なので、ぜひ試してみてください。

方法①：アーチ状に曲げる方法

まず最もよく使われるのが「アーチ状」に文字を曲げる方法です。これは、見出しやタイトル文字に視線を集めたいときにとても効果的な表現方法で、ポスター・チラシなどでもよく用いられるデザインです。

パワーポイントで文字をアーチ状に曲げる具体的なやり方・操作手順は以下を参照ください。

具体的なやり方（操作方法）

①［挿入］タブ→［テキストボックス］を選択し、任意の文字を入力する。

②［図形の書式］タブ→［文字の効果］→［変形］と進み、表示されたものの中から［上アーチ］（または［下アーチ］）を選択すると、文字がアーチ状に変形・曲がる。

③さらにアーチの大きさや角度を調整したい場合は、テキストを選択した状態で右クリック→［図形の書式設定］を選択。

④［図形のオプション］→［サイズとプロパティ］で高さ・幅・回転・高さの倍率などの値を変更すると、アーチの形状が変わる。

アーチ状は比較的自然なカーブが作りやすく、デザインとしても定番・見慣れている人も多いため、全体の見栄えを邪魔しにくいと言えます。デザイン初級者さんにも扱いやすい形状なので、ぜひパワポでポスターやチラシなどを作るときに活用してみましょう。

方法②：円形に曲げる方法

次は「円形」に文字を曲げる方法です。これは、ロゴを作ったり飾り見出しとして使える装飾効果で、円の周囲に沿って文字がぐるっと配置されるため、特にイベント資料やポップなポスターデザインで使われることが多いでしょう。

具体的なやり方・操作手順は以下を参照ください。

具体的なやり方（操作方法）

①［挿入］タブ→［テキストボックス］を選択し、任意の文字を入力する。

②［図形の書式］タブ→［文字の効果］→［変形］と進み、表示されたものの中から［円］を選択する。

③テキストを選択した状態で右クリック→［図形の書式設定］を選択。

④［図形のオプション］→［サイズとプロパティ］で高さと幅の値を揃え（今回は例として両方とも10cmに設定）、［縦横比を固定する］にチェックをいれる。

⑤最後に、好みのサイズになるように［高さの倍率］と［幅の倍率］を調整して完成。

円形の表現はユニークさを出しやすい反面、文字の可読性がやや落ちることもあるため（逆さまの文字が含まれるため）、使う際は可読性・読みやすさにも配慮するとよいでしょう。

方法③：波形に曲げる方法

さらに動きのある表現として使えるのが「波形（ウェーブ）」です。このスタイルは、文字全体が波打つような動きになり、資料に動き・リズム感やユニークさを加えたいときに適しています。

具体的なやり方・操作手順は以下を参照ください。

具体的なやり方（操作方法）

①［挿入］タブ→［テキストボックス］を選択し、任意の文字を入力する。

②［図形の書式］タブ→［文字の効果］→［変形］と進み、表示されたものの中から［大波］（［小波］でもOK）を選択すると、文字が波形に曲がる。

③さらに波形の大きさ・高さ等を調整したい場合は、テキストを選択した状態で右クリック→［図形の書式設定］を選択。

④［図形のオプション］→［サイズとプロパティ］で高さ・幅・回転・高さの倍率などの値を変更すると、波形の形が変わる。

この表現は比較的カジュアルな印象に映るため、堅めのビジネス資料での使用はあまり適さないかもしれません。そのため、店舗用のポスターやチラシ、リーフレットなどで使うのがおすすめです。

方法④：文字を縦または横に曲げる（潰す）方法

4つめは、文字を「縦または横」に曲げる（潰す）という表現方法です。これは“曲げる”というよりも、どちらかというと縦方向・横方向に文字を圧縮・伸張するようなイメージ。

デザインによっては活用できる場面もあると思うので、このやり方も整理しておきます。具体的な方法は以下を参照ください。

具体的なやり方（操作方法）

①［挿入］タブ→［テキストボックス］を選択し、任意の文字を入力する。

②［図形の書式］タブ→［文字の効果］→［変形］と進み、表示されたものの中から［四角］を選択する。

③テキストを選択した状態で右クリック→［図形の書式設定］を選択。

④［図形のオプション］→［サイズとプロパティ］で高さの倍率の値を調整する。値を小さくすると縦に潰れた文字になり、値を大きくすると縦に伸びた文字になる。

この方法は、他に配置するオブジェクトとのバランスを取ったり、限られたスペースの中でテキストの印象を変えたいときに有効な方法です。

方法⑤：右肩上がりまたは右肩下がりに曲げる方法

最後は文字を「右肩上がりまたは右肩下がり」に曲げる方法です。右肩上がりや右肩下がりに曲げると、テキストに動きが出るだけでなく、勢いを感じるデザインになったり、視線の誘導もしやすくなったりします。

ポスターやチラシのデザインでは非常によく使われるデザイン表現なので、パワポで販促物などを制作する際はぜひ活用してみてください。具体的な操作方法は以下を参考ください。

具体的なやり方（操作方法）

①［挿入］タブ→［テキストボックス］を選択し、任意の文字を入力する。

②［図形の書式］タブ→［文字の効果］→［変形］と進み、表示されたものの中から［右上がり］（または［右下がり］）を選択する。

③テキストを選択した状態で右クリック→［図形の書式設定］を選択。

④［図形のオプション］→［サイズとプロパティ］で高さの倍率の値を調整する。値を小さくすると角度が小さくなり、値を大きくすると角度も大きくなる。

他にも［文字の変形］機能では色々な文字の曲げ方がある

以上がよくデザインで用いられる文字の曲げ方です。なお、パワーポイントの変形機能では他にも以下のような文字の曲げ方があります。

このように、様々な曲げ方の表現ができるので、色々と試してデザインに合うものを選んでみるのもよいでしょう。たとえば［右上がり2］を使うと、シンプルに右肩上がりに曲がるだけでなく、以下のように奥行きを感じるデザインにすることもできます。

まとめ：［文字の変形］を使ってパワポデザインの幅を広げよう

今回はパワーポイントで文字を曲げる方法をまとめてみました。パワーポイントでは、「図形の書式」タブにある［文字の効果］→［変形］機能を使うことで、簡単に文字を色々な形に曲げることができます。

ここで紹介した方法はすべて、クリック操作だけで再現できるシンプルなものばかりなので、デザイン経験がない方でも安心して使うことができるのでおすすめです。特にデザインの見た目の印象をガラッと変えたり、視線を誘導するときに効果的なので、ぜひ活用してみてくださいね。