パワーポイントの表を劇的に見やすくする6つのポイント。資料デザイナーが実例で解説。

パワーポイントの表では強調したいところだけに色を付ける

今回は、PowerPointで見せるの「キレイで、わかりやすい・伝わりやすい見せ方・デザイン、おすすめのレイアウトのポイント」についてまとめてみました。

見やすい・わかりやすい表にデザインするために気をつけた方がいい点を網羅し、具体的なサンプルイメージなどを使いながら解説しています。

普段パワーポイントで資料を作ることが多い方の参考になれば幸いです。

■■この記事で学べること■■
  1. パワーポイントで見やすい表をデザインする時のポイント
  2. パワーポイントで表をデザインする時の具体的な操作方法

パワーポイントの表もデザインを少し変えるだけで見やすくなる

ビジネス資料を作っていると、頻出となるのが「表」です。もちろんパワーポイントを使ったプレゼン資料などでも必須の要素。

そんなビジネスシーンでよく使う表ですが、資料に載せる時は「特にデザイン・レイアウトを意識せずに載せている」というケースも多いんですよね(過去に筆者がデザインの企業研修を行なった際も、よくそういった声を聞きました)。

でも、実は表もいくつかデザインで気を付けてあげるだけで、すごく見やすく・わかりやすくなります。今回は、そのポイントをまとめていきます。

パワーポイントの表を見やすくするためのデザインのポイント

パワーポイントでプレゼン資料や提案資料などを制作するとき、よく使うものの1つが「表」です。過去の実績データをまとめて表にしたり、価格・プランの比較表を見せたり、ビジネス資料では色々と表が活躍する場面があります。


そんなパワーポイントの表を見やすくするときのデザインのポイントとしては、主に以下の6点に気を付けるのがポイントです。これからこの6点について、詳細をまとめていきます。

■■パワーポイントの表を見やすくするデザインのポイント■■
  1. 表中の文字量を減らす。
  2. 文字の揃えを使い分ける。
  3. 線の太さを細めにする。
  4. セルの色は白にし、強調したい箇所だけ色をつける。
  5. 線の色は目立ちにくい色にする。
  6. (メリット・デメリットを示すときは)セルの背景にうっすらと「◯×」を入れる。

※以下掲載の画像内のサービスは、すべて架空のサービスです。

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表中の文字量を減らす

パワーポイントの場合、1スライドの中に載せられる情報量に限りがあります。その中にたくさんの文字を書いてしまうと、スライド内の余白が減ってしまい、全体的に圧迫感を感じるようになり、それが見づらさに繋がっていきます。

表の中の文字が多いと読みにくい

これは表に限ったことではなく、あらゆるデザインにおいて見やすくするために大事なことです(余白の重要性については、こちらの記事も併せてご覧ください)。

レイアウト,余白,デザイン,コツ,余白の取り方

なぜデザインには「余白」が必要なの? 見やすい・わかりやすいデザインに必須の余白の効果とコツを解説。

2022.09.03

パワーポイントで表を見せる時も同じで、たくさんの文字を書いてしまうと非常に窮屈な仕上がりになってしまいます。そのため表であっても文字数もなるべく少なくなる(短い文章で表現する)ようにし、表の中に多くの余白を確保しましょう。

表の中の文字は少ない方が読みやすい

文字量を減らすコツとしては、以下の点に気を付けてみましょう。

■■表内の文字量を減らすコツ■■
  1. 言葉で伝えればOKなことは極力書かない(←これはプレゼン資料の鉄則です)
  2. 「です・ます調」ではなく「である調」にする
  3. 体言止めを使う
  4. 箇条書きで表現する(箇条書きを使うと接続語も使わずに済むので、さらに文字量が減ります)
  5. 言葉・意味の重複を避ける

文字の揃えを使い分ける

文字の揃え方には「左揃え・右揃え・中央揃え」などの揃え方がありますが、表の中の文字は原則として以下のように揃えを使い分けてあげると、とても見やすくなります。「表の文字揃えのルール」として覚えてしまってもOK!

■■左右の揃え■■
  1. (長めの)文章:左揃え
  2. 数字:右揃え
  3. 項目名・その他:中央揃え
■■上下の揃え■■
  1. (基本的には)上下中央揃え
  2. (スペース的に上下中央では見づらく感じるときは)上揃え

パワーポイントで表を見やすくした例

表内の文字の揃えについては、下の記事でもさらに詳しく解説しているので、気になる方は併せてこちらもご覧ください。

表はパーツ分けして捉える

パワポの表を見やすくしたいなら「文字の揃え」はこうすべし。表の文字揃えルールをデザイナーが解説。

2018.10.17

線の太さを細めにする

表を書く時の線は、少し細めにしてあげるのがベター。表は元々たくさんの線によって構成されていますが、その線が太いと表内に余白が減ってしまい、パッと見たときにゴチャゴチャしているように感じやすくなります。

また、太めの線を使うと少しカジュアルで幼い雰囲気も出やすいので、ビジネスシーンとの相性もあまり良くなかったり。

パワーポイントの表の線を太くすると見づらい

そのため、表の線は少し細めにし、全体がスッキリ・スマートに見えるようにしてあげましょう。具体的な細さとしては、0.5ptあたりを目安にするのがおすすめです。

パワーポイントで表を見やすくした例

表の線の太さを変更する方法は、以下を参考にしてみてくださいね!

<表の線の太さを変更する方法(WIn版)>
  1. 表全体を選択
  2. パワーポイントの表の線の太さを変える方法
  3. [テーブルデザイン]タブ→[ペンの太さ]→0.5ptを選択(線の色も変える場合は[ペンの色]で任意のものを選択する(おすすめの色は当記事「線の色を目立たない色にする」の項目参照))
  4. パワーポイントの表の線の太さを変える方法
  5. [罫線]→[格子]を選択
  6. パワーポイントの表の線の太さを変える方法
  7. 表の線の太さが変わる
  8. パワーポイントの表の線の太さを変える方法

セルの色は白にし、強調したい箇所だけ色をつける

パワーポイントで表を入れると、デフォルトの状態では以下のように表の中のセルの色が縞々の状態で出てきます。ただ、この色使いは基本的にはNG。これでは、色々なところに色がついてしまっているので、表のどこが大切なのかがパッと見ただけではわかりづらいからです。

パワーポイントの表のセルの色を縞々にすると見づらい例

そのため、基本的に項目名のセルは目立ちにくいグレー系の色、それ以外のセルの色は白に塗り直し、その上で重要箇所があれば、そこだけに色をつけるのがおすすめ(加えて、文字の太さも太くしてあげると尚良し!)。

そうすることで、パッと見ただけで「あ、ここが大事なんだな!」ということが瞬間的に理解できる見栄えになります。

表の色は白にして大事なところだけに色を付ける

もし特定の一行、もしくは特定の一列を強調したい場合は、以下の例のように行または列全体に色をつけてもOKです。

パワーポイントの表では強調したいところだけに色を付ける

デフォルトのままのシマシマカラーにしないで、色をつける場所をうまく絞ってあげるのが大切です。

なお、強調箇所につける色は、その資料で使っている基本3色のうち、メインカラーまたはアクセントカラーがおすすめ。資料の色使いの原則については、以下の記事で解説しているので、併せてご覧ください。

色相環

【簡単】見やすいパワーポイントのおすすめ配色方法。色相環を使って3色を組み合わせればOK。

2018.07.21
<セルの色を変更する方法(Win版)>
  1. 表の中で色を変えたいセルを選択
  2. パワーポイントの表のセルの色を変える方法
  3. [テーブルデザイン]タブ→[塗りつぶし]から任意の色を選択
  4. パワーポイントの表のセルの色を変える方法
  5. セルの色が変わる
  6. パワーポイントの表のセルの色を変える方法

なお、上の例のようにセルの色を濃い色に変えた場合は、文字の色は白(白抜きの状態)にしましょう。その方が文字が見えやすくなります。

線の色を目立たない薄い色にする

表を見やすいデザインにするときは、セルの色だけでなく、線の色もポイントになります。線の色はあまり目立たない色(=薄い色)を使いましょう。

目立つ色(≒ 濃い色)を使ってしまうと、全体的にゴチャゴチャとしたデザインになりやすく、また前項でお伝えした「色のついた重要箇所のセル」が目立ちづらくなっていきます。

パワーポイントの表の線を目立つ色にすると見づらくなる

目立ちにくい薄い色(かなり薄くてOK!)などを線の色として使ってあげれば、スッキリとした見栄えになるだけでなく、重要箇所のセルがより強調されて見えるようになります。

線は決して“表の主役”ではないので、なるべく存在感を感じないように色も工夫してあげましょう(線の色の変え方は、前項「線の太さを細めにする」参照)。

パワーポイントの表の線の色は目立たない薄い色にするのがベター

セルの背景にうっすらと「◯×」を入れる

パワーポイントの資料では、複数のものを比較する時にも表を使うことが多いですよね? たとえば製品・サービス間のメリット・デメリットを比較したり。

そのようなときは、表の中に言葉だけでなく、「○」や「×」の印も一緒に入れてあげると、より視覚的にわかりやすくなります。

パワーポイントの表でメリット・デメリットを表現するときは◯×を一緒に描く

文章だけだと、内容を読み込まないと比較対象の良し悪しがわかりませんが、「○」や「×」がうっすらと入っていれば、視覚的に一瞬で「どっちが良くて・どっちが悪いのか」理解できるようになります。

どうしても表はマトリクスで情報が整理されるので、どこに・どのような情報が書かれているのかがわかりづらくなりがち。そのため、ビジュアルでサポートしてあげるような見栄えにしてあげるのも、わかりやすくする上で効果的です。

なお、○×を入れるときは、色を濃くしすぎると他の文字が見づらくなってしまうので、○×の色は薄くしましょう。「うっすら印が見えている」程度でOKです。

実際に○×の印を表の中に入れる具体的な操作方法は、以下を参考にしてみてくださいね!

<表のセルの背景に○×の印を入れる方法>
  1. パワーポイント内に表を入れる
  2. パワーポイントの表の背景にイラストを入れる方法
  3. ◯×を入れたいセルを選択し、[テーブルデザイン]→[塗りつぶし]→[塗りつぶしなし]を選ぶ(セルの色を透明にする)
  4. パワーポイントの表の背景にイラストを入れる方法
  5. テキストボックスを挿入し「○」や「×」を書き込み、任意のサイズ・色に変更する
  6. パワーポイントの表の背景にイラストを入れる方法
  7. セル内の該当箇所に「○」や「×」のテキストを移動させ、右クリック→[最背面へ移動]を選択する
  8. パワーポイントの表の背景にイラストを入れる方法
  9. セルの背景に○×の印が入る
  10. パワーポイントの表の背景にイラストを入れる方法

YouTubeで今回の記事の内容を見たい方はこちら!

今回の内容を動画で見たい方は、当ブログ筆者がYouTubeチャンネル『ビズデザ』でも解説しているので、こちらも併せてご参考ください(チャンネル登録もしていただけると、中の人は飛び跳ねて喜ぶそうです)

まとめ:デフォルトの表デザインはNG。必ずデザイン調整しよう

今回はパワーポイントで見やすい・わかりやすい表を作るためのデザインのポイントや方法について解説しました。

表はパワーポイントならボタン1つで簡単に挿入することはできますが、デフォルトのデザインのままだとかなり見づらい・わかりづらい状態になってしまいます。そのため、今回の記事でご紹介したポイントを基に、必ずデザインの修正・調整を行いましょう。

一手間かけるだけで、表も非常に見やすいデザインにすることができます。ぜひ参考にしてみてくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

デザイナー・編集者。オウンドメディアのディレクション・編集やビジュアル・クリエイティブ制作を中心に行いつつ、デザイン・資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。 パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ1,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。