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パワーポイントの矢印を劇的におしゃれでわかりやすくする簡単な方法。具体例を交えてデザイナーが解説してみた。

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当ブログは、ビジネスシーンで作成する資料で“誰でも・手軽に使える”デザイン・レイアウトノウハウ・Tipsをお伝えしています。

今回はPowerPointにおける図形、特に「矢印」をわかりやすく・おしゃれに見せる方法やポイントについてまとめてみました。

日頃プレゼン資料等を作ることが多い方の参考になれば幸いです。

/// この記事を読むとわかること ///
  1. パワーポイントの矢印の存在意義
  2. パワーポイントの矢印をわかりやすく・おしゃれに見せる方法
  3. パワーポイントで「細い矢印」や「小さい矢印」を挿入する具体的な操作方法
/// この記事を書いた人:日比 海里 ///
  • 株式会社トリッジ代表取締役 / デザイナー / コンテンツディレクター
  • グラフィック・WEBデザインやオウンドメディアの運営サポート・ディレクションを手掛けつつ、パワポ資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ150社以上、2,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。

先に結論:大きい矢印は使わない

パワーポイントのプレゼン資料を作っていると、「矢印」ってよく使う図形ですよね。そのときよく使われる矢印は、下の例のようないわゆる「ブロック矢印」と呼ばれるものではないでしょうか。

パワーポイント資料では大きいブロック矢印は使わない

ただ正直なところ、パワーポイント資料を作る際、この大きな形のブロック矢印は使うべきではありません。理由は以下の2点です。

理由①:悪目立ちし過ぎるから

ブロック矢印を使わない理由の1つめは、「デザイン上とても“悪目立ち”するから」です。

パワーポイント資料を作るとき必ず意識しなければいけないことは、“矢印は決してデザイン上の主役ではない”ということ。デザインにおいて本当に伝えたいのは“矢印そのもの”ではなく、“矢印の前後に置かれているものの変化”のはずですよね。例えば下の図のように「四角いものが三角に変わったという事実」が一番伝えたいわけです。

パワーポイント資料では矢印はデザインの主役ではない

でもこのような大きなブロック矢印を使ってしまうと、この矢印がやけに目立ち過ぎてしまい、周りに配置されているものへの意識・注目を妨げてしまいます。だってこの矢印は、大きくて、太くて、色も濃いから、非常に自己主張が激しく見えますもんね。

資料の中で矢印を配置するような場面というのは、必ず「何かと何かの変化(移動・移り変わり含む)を表す場面」であり、そしてその場面においては「何か」がまさに“デザイン上の主役(=最も伝えたいこと)”になります。ということは、矢印がデザイン上の主役よりも目立ってしまってはまずいわけです。本当に伝えたいことに目や意識が向かいづらくなってしまいますから。

パワーポイント資料でブロック矢印を使ってしまった悪い例

そのため、パワーポイントで使う矢印は、なるべく目立たないようにしてあげる必要があります。特にブロック矢印は悪目立ちしやすいので、使うのは避けましょう。

デザイナーとしてこれまで企業の資料作成代行を多数おこなってきた筆者も、日頃ブロック矢印のような大きな矢印を使うことはまずありませんし、これまでもほぼ使ったことはありません(←学生時代に数回使ったくらいかな? とりあえずほとんど使った記憶はありません笑)。

理由②:シンプルに「おしゃれに見えない」から

またもう1つブロック矢印を使うべきではない理由があります。それはシンプルに「おしゃれに見えないから」です。

おしゃれなのか、おしゃれじゃない(ダサい)のかは、あくまで主観的な感覚でしかありませんが、ただ実際にこのような大きな矢印は“主張が強すぎてデザイン的におしゃれに見えないことが多い”ということは、これまでの私のデザイナーとしての経験から断言できます(いや、本当に)。また大きくなればなるほど、周りに配置する要素や全体のデザインバランスも取りづらくなっていきますしね。

プレゼン資料は見た目や印象も非常に大事なものなので、その点からもなるべく大きな矢印は避けた方が無難です。

わかりやすい・おしゃれな矢印にするための方法

そうなると、実際にはどのような矢印を使えば、主張が弱くて(主役を邪魔しない)、かつおしゃれに見えるのでしょうか。その方法をこれから具体的に整理していきます。

方法①:「横向きの小さい三角形」や「細い矢印」を使う

1つめの方法としては、下の例ような「横向きの小さい三角形」や「細い矢印」を使う、ということ。これで一気に矢印の存在感が薄まり、かつ洗練されたおしゃれな見栄えにもなります。

パワーポイント資料ではブロック矢印の代わりに小さい三角形や細い矢印で代用する

さらに付け加えるなら、たとえば「横向きの小さい三角形」を使うときは、三角形の色は少し薄めにし、かつ枠線も入れないようにするのがおすすめです。

パワーポイント資料では矢印は色を薄くして枠線も入れないようにする

色が濃かったり枠線が入っていると、どうしても主張が強くなっていきますし、デザインに複雑性(ごちゃごちゃ感)が出てきておしゃれに見えなくなっていきます。色の濃淡をコントロールして枠線を外し、スッキリ・スマートな見栄えにしてあげることで、洗練されたデザインに仕上がるので、おしゃれに見えるようになります。

方法②:細い矢印1本で貫く

わかりやすい・おしゃれな矢印にするための方法2つめは、「複数の要素の関係性を表現するときは、細い矢印1本で貫く」ということです。

矢印の使い方としては、1対1の関係性だけなく、複数の要素の関係性を矢印で表現するケースもありますよね。たとえば「フローを表現する時」や「物事のステップを伝えたい時」などがそれに該当します。

その時の資料の見せ方として、下の例のように要素間に矢印を1つずつ入れていくというデザインをよくやりがちですが、このようにしてしまうと図形がたくさん置かれていてゴチャゴチャ感が出てしまい、洗練さ・おしゃれさがやや失われます。

パワーポイント資料でのフロー図などは矢印を1つ1つ置かないようにする

そのため、複数の要素の関係性を表現するときは、下の例のように細い矢印1本で貫くようにするのがおすすめ。細長い矢印を1本だけ用意し、全体をぶち抜いてしまうことで、全体的にスッキリとした見栄えになり、ゴチャゴチャ感を軽減できます。

パワーポイント資料での複数要素の関係性は細い矢印1本で貫くデザインがベター

人間の脳はとても優秀なので、わざわざたくさん矢印を置かなくても、「上から下に見ればいいんだな」ということが瞬間的に理解できます。なるべくたくさん矢印図形を配置せずに、シンプルに表現することを意識しましょう。

ただし、この矢印の使い方の注意点としては、なるべく要素が「縦か横一直線に並んでいる時だけ使う」ということ。

一直線ではないケース(たとえばサイクル図のような円形に要素が並んでいるときなど)にこの表現方法を使おうと、さすがに少し全体の向きがわかりづらく感じることがあります。

パワーポイント資料で円形にオブジェクトが並んでいるときの矢印の注意点

そのため円形に要素が並んでいるときは、矢印を間1つ1つに入れてあげた方が無難です。貫く矢印を使うときは、基本的には「一直線に要素が並んでいるとき」に使う、ということも併せて押さえておくとよいでしょう。

パワーポイント資料で円形にオブジェクトが並んでいるときは1つ1つ矢印を入れる方がベター

小さい三角形・細い矢印の作り方

「小さい三角形」と「細い矢印」をパワーポイントで作る方法も、具体的に画像を使ってお伝えしておきます。まぁパワーポイントの基本操作だけなので、大した話じゃないですが笑。

小さい三角形の作り方

①PowerPointを開いて、「挿入」→「基本図形」→「二等辺三角形」を選択。

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②「Shift」を押しながら斜めにドラッグ。

PowerPoint,プレゼン,矢印,三角形,挿入
/// ここでのポイント ///
  1. この時にサイズが大きくならないように、控えめなサイズにしましょう。
  2. 「Shift」を押しながらドラッグすると、正三角形の形で挿入できて美しく作れます。

③できた三角形の上に「緑色の○」が出てくるのでクリックし、好きな方向にドラッグ。

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/// ここでのポイント ///
  1. 緑色の○は角度変更のハンドルなので、これを左右にドラッグすることで三角形の角度が変わります。好きな角度まで回転させましょう。
  2. 「Shift」を押しながらドラッグすると角度が「15°」ずつ変わるので、90°や180°などキリのいい数字まで回転させたいときはShiftを活用しましょう。

細い矢印の作り方

①PowerPointを開いて、「挿入」→「線とコネクタ」→「矢印」を選択。

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②「Shift」を押しながらドラッグ(「Shift」を押しながらドラッグすると、水平に矢印を引くことができます)。

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③挿入された矢印を選択し、右クリック→「図形の書式設定」を選択。

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④表示された「図形の書式設定」ウィンドウの中から、「線」→「太さと矢印」を選択。「太さ」の項目で、好きな太さまでPt数を上げる(この時あまり太くなりすぎないように控えめな細さにしましょう)。

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以上です。とっても簡単ですね。

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どうしても大きいブロック矢印を使いたい時の対処法

以上のとおり、パワーポイント資料では大きなブロック矢印を使わずに、他のもの(小さな三角形・細い矢印)で代用するのがベターということですが、ただやむを得ず「どうしても大きいブロック矢印を使わなければいけない」ときも、もしかしたらあるかもしれません(←上司が「絶対ブロック矢印を使え!」とうるさく言ってくる時とか笑)。

そのような時は、上でも少し書きましたが、必ずブロック矢印の色を薄くしてあげましょう。これで少しは目立ちづらくなります。

とにかくブロック矢印の悪目立ち感を小さくしてあげるのが大切。色の濃さは主張の強さに直結するので、どうしてもブロック矢印を使わないといけなければ、色を薄くして対応しましょう。

YouTubeで今回の記事の内容を見たい方はこちら!

今回の内容を動画で見たい方は、当ブログ筆者がYouTubeチャンネル『ビズデザ』でも詳しく解説しているので、こちらも併せてご参考ください(チャンネル登録もしていただけると、筆者は飛び跳ねて喜ぶそうです)

まとめ:「本当に伝えなきゃいけないことは何か」を意識することがデザインでも大事

今回はパワーポイントで使う矢印をわかりやすく・おしゃれに見せるためのポイントや具体的な方法について解説しました。

パワーポイントをはじめとしたビジネス資料を作成・デザインするにあたっては、「何が一番伝えたいのか?」「本当に伝えたいことは何なのか?」を常に意識することが大切です。それを意識することで、資料のデザイン・レイアウトももちろんですが、1つ1つのオブジェクト等の形なども大きく変わってきますし、見栄えもより洗練されてきます。

特に矢印はプレゼン資料では頻出の図形になるので、少し細かなところまで気を配ってあげると、デザインのクオリティもグッと向上すると思います。パワーポイントを制作することが多い方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

/// パワポ資料作成研修 ///
この記事の筆者が『わかりやすい・伝わる資料作りの簡単セオリー』をお伝えしています。

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日比 海里

デザイナー・コンテンツディレクター。オウンドメディアのディレクション・編集やビジュアル・クリエイティブ制作を中心に行いつつ、デザイン・資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。 パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ1,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。

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