パワーポイントの「見やすい文字サイズ」って結局いくつ? シーン・用途別にデザイナーがまとめてみた。

プレゼンの投影資料の適正文字サイズ

今回はパワーポイントで作る資料の「文字の見やすいサイズ」についての内容です。文字の適正サイズとひとことで言っても、実は意外と「コレがベスト!」と決めるのは難しかったりします。その理由と、オススメの文字サイズについて、今回はシーン・用途別にまとめてみました。

日頃パワーポイントで資料を作ることが多い方の参考になれば幸いです

■■この記事で学べること■■
  1. パワーポイント資料の適正文字サイズを言い切るのが難しい理由
  2. 筆者オススメの適正文字サイズ(シーン・用途別)

文字の“見えやすさ”は、形だけじゃなくて「大きさ」も影響する

あらゆるパワーポイントの資料で必ず載せることになる「文字」。デザインを考える上では、文字も少しでも見やすい方が良いのはいうまでもないことですが、ではこの文字の「見えやすさ」は、何に影響を受けるのでしょうか。

まず1つは、文字の形、つまり「フォント」が見えやすさに影響すると言えます。ご存知のとおり、フォントには様々な種類があり、それぞれ形・太さが異なっていますよね。


特に日本語フォントなら大きく分けて「明朝体」と「ゴシック体」の2種類があって(厳密にはもう少し細かく分かれますが)、たとえばプレゼン時の投影用の資料なら太めに見える「ゴシック体」の方が“見やすい”と言われています。

これは以前、当ブログの別の記事でもまとめていますので、お時間ある方は併せてこちらの記事もご覧ください。

ゴシック体は太く見える

【デザイナー推奨】パワーポイントでおすすめのフォントは?選び方と資料タイプ別の使い分け方を解説。

2018.07.11

そしてもう1つ、文字の見えやすさに大きな影響を与える要素があります。それは、文字の「大きさ・サイズ」です。先ほどと同じ例であれば、プレゼン時の投影用の資料はどうでしょうか? やはり遠くに座って見る聴衆の方々もいるので、そのような時は大きめの文字サイズの方が“見やすい”ですよね。

つまり、パワーポイントの資料において“文字を見やすくする”ために必要な要素としては、「文字の形(フォント)」と「文字の大きさ」が大きな影響力を持っていると言えます。そして、今回は特にその「見えやすい文字の大きさ」について、まとめていきます。

■■文字を見やすくするために必要な要素■■
  1. 文字の形・フォント
  2. 文字の大きさ(←本記事のテーマ)

パワーポイント資料の文字の「適正サイズ」を断言するのは難しい

パワーポイントで資料を作っていると、「大きい方がいいのかな?…いや、でもこれくらい小さくても大丈夫…だよなぁ…?」とか、何となく感覚的に決めてしまう時も多いのではないでしょうか。

そんな時に“パワーポイントでの文字の適正サイズ”がわかれば、これほどありがたいことはないわけですが、実のところ「適正サイズ」を断言するのは非常に難しいんです。

まずはその理由をこれからお伝えしていきます。

理由①:先にスライドサイズを確定させる必要があるから

理由の1つめは、「先にスライドサイズを確定させる必要があるから」です。パワーポイントの特徴として、「文字サイズは、スライドサイズによって変わってしまう」という特徴があります。言葉で聞いてもわかりにくいと思うので、1つ例を見てみましょう。

たとえば下の画像のように、パワーポイント内に文字を挿入していたとします。この時のスライドのサイズはデフォルトの状態(16:9 / 幅33.87cm × 高さ19.05cm)、文字サイズは「80pt」です。

パワーポイントはスライドサイズを変えると文字のサイズも変わってしまう

ここからスライドのサイズを変えてみます。今回は以下の通り「A4横サイズ」にしてみましょう。すると、これまで80ptだった文字が、スライドサイズ変更後は「65pt」に小さくなってしまっています。

パワーポイントはスライドサイズを変えると文字のサイズも変わってしまう
パワーポイントはスライドサイズを変えると文字のサイズも変わってしまう

このように、パワーポイントはスライドサイズによって文字サイズが変わってしまうという特徴があります。そのため、単純に「スライドの文字サイズはいくつが適正なの?」と問われたとしても、先に「スライドサイズがいくつなのか」が決まらないと、答えるのが難しいわけです。

理由②:シーンや用途によって“見やすい”と感じるサイズが異なるから

そしてもう1つ、パワーポイント資料の文字の「適正サイズ」を答えるのが難しい理由があります。それは「資料の使用シーンや用途によっても“見やすい”と感じるサイズが変わるから」です。

パワーポイントで作る資料も、種類がたくさんありますよね? プレゼン時に「プロジェクター等で大きなスクリーンに投影する資料」もあれば、「印刷して出席者の手元に配る資料(プレゼンのアペンディックス、企画書…etc)」もあります。

また、最近ではオンラインミーティングやオンラインプレゼンなども多くなってきているので、「PCの画面に映して見てもらう資料」などもあったり。

オンラインミーティングで使う資料の文字サイズ

このように、パワーポイントで作る資料もシーンや用途などが様々なわけですが、それぞれのシーン・用途においての文字サイズを考えてみると、どうでしょうか?

たとえばプロジェクター等で大きなスクリーンに投影するような資料であれば、小さい文字(10pt以下など)を使ってしまうと、やはり遠くに座っている人はまず見えませんよね(またはすごくストレスを感じる)。

投影資料は文字サイズが小さいと見づらい

でも、印刷して手元で読むような資料であれば、10pt以下の文字でも自然に読むことができます(実際に、文庫本や新聞などの印刷物は8〜10ptあたりが一般的な文字サイズになっています)。

文庫本や新聞などは文字サイズが小さいのが一般的

つまり、文字は使用シーンや用途によって“見やすい”と感じるサイズが変わってくるというわけです。そのため、「スライドの文字サイズはいくつが適正なの?」と問われたとしても、やはりすんなりとは答えられないということになるのです…。

シーン・用途別のおすすめ文字サイズは?

ただ、そうは言っても「目安になるようなサイズくらいはあるだろ? 勿体ぶってないで話せや!」と思う方も多いと思うので笑、今回はパワーポイント資料の使用シーン・用途別に、目安となるおすすめの文字サイズもご紹介します。

実際に企業の資料デザイン研修講師、プレゼン資料・提案資料などのデザイン作成を請け負っている当ブログ事筆者が、普段パワーポイント資料を作る際に目安としている文字サイズをまとめていますので、ご参考までにご覧ください。

プレゼン時に投影する資料

まずは『プレゼン時にプロジェクター等でスクリーンに投影するときの資料』から。このときのおすすめの文字サイズは「スライドタイトル・メインテキストは24pt以上」、「キーワードはメインテキストの1.5〜2倍程度」です(ちなみにスライドサイズはデフォルトの「16:9」が前提)。

プレゼンの投影資料の適正文字サイズ

■■「プレゼン時に投影する資料」のおすすめ文字サイズ■■
  1. スライドタイトル:24pt以上
  2. メインテキスト:24pt以上(できれば28pt以上)
  3. キーワード:メインテキストの1.5〜2倍程度

基本的に投影する資料は、“聴衆の方が、資料を遠くから見る(離れて見る)”というシチュエーション・シーンになることが多いので、文字サイズは大きめにするのがおすすめ。小さすぎる文字(たとえば20pt以下)は、遠くから見ている人にとって見づらくてストレスを感じますし、最悪の場合「全く読めなかった…」となってしまうこともあるので、注意が必要です。

スライドタイトルやメインテキストは「24pt」を1つの目安にすれば、一定の視認性を保つことができます。特にメインテキストは可能であれば28pt以上にできるとさらに良いでしょう。

またスライド内でキーワードとなるような言葉は、メインテキストよりもさらにグッとサイズを大きくしてあげる(メインテキストの1.5〜2倍程度)と、その言葉をより強調する効果も得られるので、この点も併せてサイズ調整してあげると良いのではないでしょうか。

※もちろん資料を投影するスクリーンの大きさにもよるので、あくまで目安としてご認識ください。

PCの画面に映して見てもらう資料

続いては最近の“ご時世”で多くなってきているであろう、オンラインミーティングなどで使う『PCのモニターに映して見てもらう資料』。

先に結論をお伝えすると、このときのおすすめの文字サイズは「スライドタイトルは20〜24pt前後」、「メインテキストは15〜18pt」、「キーワードはメインテキストの1.5〜2倍程度」です。

PCのモニターに映すパワーポイント資料の適正文字サイズ

■■「PCの画面に映して見てもらう資料」のおすすめ文字サイズ■■
  1. スライドタイトル:24pt以上
  2. メインテキスト:15〜18pt
  3. キーワード:メインテキストの1.5〜2倍程度

先にお伝えしたプロジェクターで投影する資料よりも「ん? なんかちょっとボヤッとした目安だなぁ…」と感じた方もいるのではないでしょうか。はい、ごめんなさい。正直に言って、ボヤッとしています笑。

というのも、PCのモニターに映して見てもらう資料の場合、こちら側からは閲覧者の環境(画面サイズ・比率等)が特定できないことが多いですよね?

たとえば1つのオンライン会議でも、Aさんは自宅の大きくて見やすいPCモニターで参加(=どんな文字サイズでも大体見える)、Bさんは小さいタブレットだけど顔を近づけて見られる(=小さい文字でもある程度見える)、Cさん・Dさん・Eさんは会社の会議室から参加して1つの小さいモニターを三人で見ている(=大きめの文字じゃないと見づらい)…など、閲覧状況がまちまちになることが非常に多い。もっと言えば、当日もどのような環境で見ているかはわからないことがほとんどです。

そのため、文字の大きさの目安もボヤッとしたサイズ感にならざるを得ないのが、正直なところなんです…。


このような時は、言葉はちょっと悪いかもしれませんが“当たり障りのないサイズ”に設定するのがおすすめ。目安としては上に書いたとおり、「スライドタイトルは20〜24pt前後」、「メインテキストは15〜18pt」、「キーワードはメインテキストの1.5〜2倍程度」です。

これくらいのサイズ感であれば、小さめなPCモニターでもある程度ストレスなく見られるのではないかと思います。基本的には「投影する時よりは少し小さくても大丈夫だけど、あまり小さ過ぎないサイズ感」という感覚で設定しましょう。

なお、このときのスライドサイズはデフォルトの「16:9」が前提で良いでしょう。近年は様々なモニターの縦横比は16:9が主流で、ある種の“業界標準”になっているからです。

印刷して配る資料(プレゼン時のアペンディックス、企画書など)

次に「印刷して配る資料」です。プレゼン時に配布する参考資料・アペンディックスや企画書などが例としては挙げられますね。この場合の文字サイズの目安は、先に話した「PCのモニターに映して見てもらう資料」と基本的には同じでOK(というか、筆者はそのように意識しています)。

印刷して配るパワーポイント資料の適正文字サイズ

■■「印刷して配る資料」のおすすめ文字サイズ■■
  1. スライドタイトル:20〜24pt前後
  2. メインテキスト:15〜18pt
  3. キーワード:メインテキストの1.5〜2倍程度

印刷して配るということは、閲覧者は手で持ったり、顔を近づけて見ることもできる状態なので、多少小さめの文字でもストレスを感じることなく見ることができます。でもあまりに小さ過ぎる文字は、読むのに時間がかかってしまうこともあるので、たとえばプレゼン時の参考資料としてはあまり向いていません(プレゼンを耳で聞きながら、同時に手元の資料を読んで理解しなきゃいけないわけですからね)。

そのため「PCのモニターに映して見てもらう資料」と同じように、大きくも小さくもない“当たり障りのないサイズ”にしておくのがベター、という考え方です。

なお、このときのスライドサイズは「4:3」か「A4」が良いでしょう。ビジネスシーンで資料を印刷するとき、ほとんどがA4での印刷になります。スライドサイズをA4に設定しておけば、その時はもちろんピッタリサイズで印刷できますし、仮に4:3だとしてもA4で印刷した時にあまり余白が出ずに違和感なく印刷することが可能です。

おまけ:投影 or モニターに映すし、印刷もする資料の時はどうする?

最後におまけとして「資料を投影またはモニターに映して使いつつ、会議参加者にその資料を印刷して配りたい」というワガママさん(笑)がいた場合どうするのかですが、その場合は前述の文字サイズ・スライドサイズの掛け合わせで対応しましょう。具体的には以下の設定がおすすめです。

■■「印刷して配る資料」のおすすめ文字サイズ■■
  1. スライドサイズ:4:3 or A4
  2. スライドタイトル:20〜24pt前後
  3. メインテキスト:15〜18pt
  4. キーワード:メインテキストの1.5〜2倍程度

まず前提となるスライドサイズですが、「投影もするし、印刷もする」というケースの場合は、4:3かA4がおすすめ。というのも16:9にしてしまうと、投影時は問題ないものの、A4横で印刷した時にサイズが合わず、余白がたくさんできてしまうためです。

そのためスライドサイズは基本的に印刷を優先して4:3かA4にしておくのがベター。4:3かA4であれば、仮にモニターが16:9のものであったとしても、投影時に大きな問題が発生することはありません(多少画面の左右に黒い部分が出てしまいますが、そこは目を瞑りましょう)。


その他スライドタイトル・メインテキスト・キーワードのサイズは、何度も出てきている“当たり障りのないサイズ”にしておくのが無難です。このサイズ感だとプロジェクターで投影する場合にメインテキストのサイズが小さくなり過ぎる可能性もありますが、かと言って投影を意識して24pt以上の大きい文字で書くと、今度は1スライドに掲載できる文字量が自ずと少なくなります。

そうすると「印刷して配布する資料としては情報量が少な過ぎる!」という怒りの声が上がってきがちなので笑、やはり“当たり障りのないサイズ”が無難、というよりそうせざるを得ないというイメージです(それでも文字量があまりにも多くなり過ぎないように注意はしましょう)。

このように、どうしても「投影もするし、印刷もする」という“両獲り”な資料だと、文字サイズなどもどこかに無理が生じることになるので、なるべく投影資料と印刷用資料は別々に用意し、それぞれに合わせて文字サイズなどを変えてデザインしましょう。

まとめ:文字サイズは資料の使用シーン・用途によって決めよう

今回はパワーポイント資料の「適正文字サイズ」について、筆者の経験などを踏まえてまとめてみました。

全体を読んでいただいた方はもうおわかりかと思いますが、文字サイズを決めるのも意外と難しいんですよね…。資料の使用シーンや用途によって、かなり目安は変わってきます。そのため「パワポの文字サイズは毎回コレでOK!」と決め込まずに、ある程度柔軟性を持って、都度シーン・用途を踏まえながら決めていくのがベターかと思います。

迷った時は今回の記事の内容を参考にしていただければと思いますが、あくまでこれも“目安”であることはご認識ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

エディター・グラフィックデザイナー。オウンドメディアの記事編集やクリエイティブ制作を中心に行いつつ、デザイン・資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。 パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ1,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。