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デザインの4大原則「整列」をデザイナーが徹底解説。意識すべきポイントと効果をまとめてみた。

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先日投稿した記事で、ビジネスシーンで作成する資料ではデザインの4大原則』ということをお伝えしました。

この4つの原則・ルールを意識して社内文書やプレゼン資料などのビジネス資料を作るのと、意識せずに資料を作るのでは、相手への伝わり方に雲泥の差が出るというわけでして。

そして前回の記事では、その原則それぞれの具体的な効果についてはまだお話ししていなかったので、今回から4回に分けて、「4大原則」の内容・効果等についてお伝えしていきます。その中で今回は「揃える」(=整列)についてまとめていきます。

「揃える」(=整列)は、あらゆるビジネスシーン(社内・社外、分析系・プレゼン系…etc)の資料作成にとっても役立つ原則なので、資料デザイン・資料レイアウトでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください!

/// この記事を読むとわかること ///
  1. デザインの4大原則の1つ「整列」が持つ効果
  2. 揃え方の違いによって「何が・どう変わるのか」
  3. 資料デザインにおいて整列のどの点を注意すべきか
/// この記事を書いた人:日比 海里 ///
  • 株式会社トリッジ代表取締役 / デザイナー / コンテンツディレクター
  • グラフィック・WEBデザインやオウンドメディアの運営サポート・ディレクションを手掛けつつ、パワポ資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ150社以上、2,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。

「揃える」(=整列)とは?

「資料作成時に絶対意識すべき配置の4大原則」の1つとして、「揃える」(=整列)というものがあります。これは簡単に言ってしまえば、「文章やオブジェクト(図形・画像・グラフ・表…etc)の位置を、意識的にきちんと揃えて配置する」ということ。


とっても単純な話のように聞こえると思いますが、特に大事なのは、「意識的に揃える」ということ

デザインにおいて「揃える」(=整列)ことはデザインの美しさ・見やすさ・わかりやすさに重要な役割を果たします。これはテキストのみの社内文書、ビジュアル重視のプレゼン資料など、資料の種類等は関係なく、全ての資料に共通して言えることです。

「揃える」(=整列)ことで得られる2つの効果

そんな「揃える」(=整列)ですが、「デザインの美しさ・見やすさ・わかりやすさに重要な役割を果たす」ということは前述の通り。では、具体的に「揃える」ことによってどんな効果が得られるのか、その点についてこれからまとめていきます。

具体的には以下のような2つの効果が期待できます。

「揃える」ことの効果①:揃え方の違いで“印象”を変えられる

「揃えること」の効果1つ目は、「読み手に与える印象を変えられる」ということ。そしてその印象の違いは、「資料の目的がきちんと・正確に伝わるか」にまで影響してきます。

全く揃ってないケース

まず1つ目の例は「全く揃ってない」ケース。以下の画像には、テキストが無秩序に配置されています(さすがにここまでバラバラなレイアウトになることはあまりないかもしれませんが笑)。

デザインの原則「整列」ができてない例

なので、なんとなく落ち着きのない、不安定な印象を受けたのではないでしょうか。これでは資料を見た人は、以下のような印象を持ってしまうかもしれません。

/// 整列ができていない資料が持たれやすい印象 ///
  • なんだかこの資料はバラバラとしてて、本当に正確な内容が書かれているのかな?
  • この会社はちゃんとしてるのかな? ちょっと不安だな〜この会社にこのまま任せてて大丈夫だろうか?

色々な要素がバラバラに置かれている(=揃っていない)と、どうしても落ち着きがないイメージを無意識に人は持ってしまいます

しかもきちんと揃っていないと、デザイン・レイアウトも美しく感じにくくなります。

中央揃え

続いての例は「中央揃え」。情報が整理されている、とても落ち着いた、しっかりした印象を受けやすい揃えになります。そして同時に、なんとなく「柔らかさ」だったり、もっと言えば「ふわっとした力の弱さ」も感じるかもしれません。

デザインの原則「整列」の中央揃えの例

中央揃えは、見た人に落ち着いた、品のあるイメージを与える揃え方になると言われています。これは違う見方をすれば、「力強さに欠ける」、もっと言えばやや「元気のない」印象を与える揃えとも言えます。

とても上品な印象を与える一方で、少し力強さに欠ける、そんな揃え方が「中央揃え」。そのため、たとえば結婚式やお祝い事の横書き招待状などでは、中央揃えが使われることも多かったりします。


引用:Zazle

左揃え

そして最後3番目の例は「左揃え」。情報がきちんと整理されていて、安心感を感じやすい揃えになります。かつ、他の2つと比べるとなんとなく「力強い印象」を受けるかもしれません。

デザインの原則「整列」の左揃えの例

というのも、左揃えの場合、揃っている位置に「縦の線」が見えてくる(見えやすい)のではないでしょうか。

レイアウトの左右の縁が揃っていると透明な線が見えてくる

実際にはもちろん何も線は書かれていませんが、左揃えになっていると上の画像の例のように、縦の「透明な線」が意識されやすくなります。これが力強さの理由。

レイアウトをするときに、左右どちらかの「縁」を全て揃えると、この透明の縦の線が意識されやすくなり、とても力強い印象を持つようになります。

先に紹介した「中央揃え」も確かに中央で揃ってはいるので、中央に透明の線が見えます。なので多少の強さはある。でも、縁がガタガタだと左揃えや右揃えよりも力強さに欠けてしまいます

左右の縁が揃わないとレイアウトは力強さに欠ける

そのため、力強い印象を与えたいときは左右どちらかの縁を揃えると、より目的に合ったレイアウトになります。

「揃える」ことの効果②:視線の流れがスムーズになる

揃えることのもう1つの効果は、「揃えることで視線の流れがスムーズになる」ということ。意外に感じるかもしれませんが、本当に「揃える」だけで、視線の流れが良くなります。

視線の流れが良くなるということは、「資料の内容をきちんと読んでもらいやすくなる=伝わりやすくなる」ことに繋がるので、これもとっても大切です。

揃っていないと「目線が迷う」

例えば、以下の画像のようにオブジェクトが並んでいたとします。この場合、まず“どこから見始めたらいいでしょう”?


図形「□」が少し上に出てるから、ここから見始めるべきなのか。それとも、日本語は横書きなら左から右へ読むものだから、一番左にある図形「△」から見始めるべきなのか。

このようにバラバラに置かれていると、まず最初にどこから読み始めたらいいか、一瞬迷います。

さらに言えば、仮にこの図形「△」から見始めるなら、そのあとはどれを見たら良いでしょう? やや上にあるけど左から右に進んで図形「□」? それとも下に進んで図形「◯」? これもちょっと迷いますね。

このように、各要素(文章・図形など)が揃えられずにバラバラに置かれていると、視線をどこに進めたらいいか迷いが生じて、すごく内容がわかりにくく感じます

特にプレゼン用のPowerPointの資料だったら、目線がキョロキョロと迷っているうちにどんどん話が進んでいってしまって、内容が理解しづらいですよね。

揃っていると「目線が勝手に動く」

続いて、全てがきちんと整列されている例(縁、サイズ、位置が揃っている)を見てみます。こうなっていると、ほとんどの方は一番上の図形「□」に自然と目線が向かい、次に図形「△」、次に図形「◇」…というように、勝手に下に目線が落ちていくはずです。


つまり、きちんと揃えてレイアウトされていると、「どこから・どの順番で見ればよいか」が無意識に理解できるわけですね。

きちんと各要素が揃って置かれていれば、勝手に目線が動いてくれるので、内容もわかりやすく感じます。これが揃えることの効果2つ目の力です。

YouTubeでも「揃える」の原則が学べるよ!

当ブログの中の人が、YouTubeチャンネル『ビズデザ』でも今回お話しした「揃える」の原則について解説していますので、こちらも併せてご参考ください!(チャンネル登録もしていただけると、中の人は飛び跳ねて喜びます)

東京,神楽坂,東京note,グルメ

まとめ:「揃え」の効果は絶大! 意識的に揃えることから始めよう!

意外と奥が深くて、実は効果も絶大なのがこの「揃える」という原則。普段から揃えているつもりでも、その効果を意識しながら意図的に整列させている、という方は意外と少なかったりします。

この「揃える」という原則の効果・狙いを日頃からしっかり意識して使いこなせるようになれば、様々なビジネスシーンで、今まで以上に「相手に伝わる資料」が作れるようになり、上司からの評価も急上昇間違いなし。

ぜひ参考にしてみてください!

/// パワポ資料作成研修 ///
この記事の筆者が『わかりやすい・伝わる資料作りの簡単セオリー』をお伝えしています。

  • この記事を書いたライター
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日比 海里

デザイナー・コンテンツディレクター。オウンドメディアのディレクション・編集やビジュアル・クリエイティブ制作を中心に行いつつ、デザイン・資料作成の研修講師兼アドバイザーとしても活動中。 パワーポイント資料作成の企業研修実績も多数(延べ1,000人以上にレクチャー)。著書に『ひと目で伝わるプレゼン資料の全知識』(株式会社インプレス発行)がある。

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